虫歯や歯周病はキスでも感染するの?
厚生労働省の調査※によると25歳から44歳の日本人のおよそ25%が歯周病に感染しており、90%に虫歯があります。
恋人同士がキスをするとき、どちらかが歯周病菌か虫歯菌、あるいはその両方を持っている確率はほぼ100%と言っても過言ではありません。では、キスで歯周病や虫歯が感染することはあるのでしょうか。
※厚生労働省平成23年歯科疾患実態調査より
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残念ながら答はイエスです。キスにより直接歯周病や虫歯がうつるわけではありませんが、唾液を介して歯周病菌や虫歯菌が相手の口腔内に侵入し、その細菌がもとで歯周病や虫歯を引き起こす可能性があります。
つまりキスに限らず、親子間での接触や家族間の食器の使いまわし、友人同士のジュースの回し飲みなどでも細菌感染のリスクは生じます。では、日常生活の中で歯周病や虫歯のリスクを回避するにはどうすればよいでしょう。
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人には免疫があり、細菌が侵入したからといって必ずしも感染するわけではありません。
歯周病菌や虫歯菌の感染は、日ごろから免疫力を高めて抵抗力をつけるよう心がけること、そして細菌のかたまりともいえるプラーク(歯垢)を増やさないよう口腔内のケアをしっかり行うことで予防できます。また、初期であれば正しい歯磨きによって歯周病を改善することも可能です。
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ただし虫歯や歯周病はすぐには発症せず、気づいたときには悪化しているということがほとんどです。歯周病や虫歯にならないためにも、なってしまった歯周病を改善するためにも、日ごろからの正しいケアが重要だと言えます。
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歯のケアを行うに当たり、まずは歯の専門医を受診してください。現時点で歯周病や虫歯がなくとも、一度は専門医で歯ブラシの持ち方、種類、磨き方など、セルフケア方法のアドバイスを受けておくべきです。また、定期的に歯の検査や歯垢除去を行うことは歯周病や虫歯予防のいちばんの近道となります。また歯列矯正で歯並びを改善することも、虫歯や歯周病予防にとても大きな意味があります。
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歯周病や虫歯の感染を避けるために愛する人とキスをしないとか、家族や友人同士での物理的接触を絶つなんて不可能です。大好きな彼との愛を育むためにも、愛する人の健康を守るためにも、歯の定期健診とセルフケア習慣を忘れずに行いましょう。
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