銀座HINA矯正歯科


子どもの歯並び、将来のためには early intervention が重要ってホント? インターセプティブ矯正等、専門家が解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
LIFE 2025/01/20

「うちの子、歯並びが気になるけど、まだ矯正するには早いのかな?」

そう思っている親御さんも多いのではないでしょうか? 実は、子どもの歯並びは、早いうちからケアを始めることがとても大切なんです。

今回は、小児期からの矯正治療、特にインターセプティブ矯正と呼ばれる治療法について、わかりやすく解説していきます。

1462742_m

インターセプティブ矯正って何?

インターセプティブ矯正とは、顎の成長を利用して歯並びを整える矯正治療法のことです。永久歯が生え揃う前の、まだ顎が成長過程にある小児期に行うことで、将来的な矯正の負担を軽減できる可能性があります。

従来の矯正治療では、歯が生え揃ってからワイヤーなどの装置を使って歯を動かす方法が一般的でした。しかし、インターセプティブ矯正では、顎の成長をコントロールすることで、歯が生えるスペースを確保したり、骨格的な問題を改善したりすることができます。

 

インターセプティブ矯正のメリット

インターセプティブ矯正には、以下のようなメリットがあります。

  • 将来的な矯正治療の負担軽減:顎の成長段階で歯並びを改善することで、永久歯が生え揃ってからの矯正治療が軽くて済む場合があります。抜歯が必要なくなるケースもあります。
  • 治療期間の短縮:永久歯が生え揃ってからの矯正治療に比べて、治療期間が短くなる傾向があります。
  • 歯並びだけでなく、顔の成長にも良い影響:顎の成長をコントロールすることで、バランスの取れた顔立ちに導くことができます。
  • 虫歯や歯周病の予防:歯並びが良いと、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
  • 発音や咀嚼機能の改善:歯並びが改善することで、正しい発音や咀嚼ができるようになり、消化吸収を助ける効果も期待できます。

 

どんな歯並びの子に有効なの?

インターセプティブ矯正は、特に以下のような歯並びのお子さんに有効です。

  • 反対咬合(受け口):下の歯が上の歯よりも前に出ている状態。
  • 上顎前突(出っ歯):上の歯が前に出ている状態。
  • 叢生(乱杭歯):歯が重なり合って生えている状態。
  • 開咬:上下の前歯が噛み合っていない状態。
  • 交叉咬合:上下の歯が左右にずれて噛み合っている状態。

 

インターセプティブ矯正の方法

インターセプティブ矯正では、主に以下のような装置が使われます。

  • 小児用マウスピース:反対咬合(受け口)の治療によく使われる、取り外し可能な装置です。就寝時などに装着することで、下顎の成長を抑制し、上顎の成長を促します。
  • 床矯正装置:取り外し可能な装置で、歯列を広げたり、顎の成長をコントロールしたりする効果があります。
  • ヘッドギア:頭部に装着する装置で、上顎の成長を抑制したり、奥歯を後ろに移動させたりする効果があります。
  • チンキャップ:顎に装着する装置で、下顎の成長を抑制する効果があります。

 

治療開始時期はいつ頃?

インターセプティブ矯正の治療開始時期は、歯並びの状態や顎の成長具合によって異なりますが、一般的には3歳から10歳頃が適しています。

この時期は、顎の成長が活発で、骨格的な問題を改善しやすい時期です。また、永久歯が生え始める前に治療を開始することで、歯並びが悪化するのを防ぐことができます。

 

小児用マウスピースを使った治療ってどんなもの?

例えばムーシールドは、シリコン製の柔らかいマウスピースのような装置です。就寝時や自宅にいる時に装着することで、舌の正しい位置を覚えさせ、下顎の成長を抑制し、上顎の成長を促します。

ムーシールドは、取り外しが簡単で、痛みも少ないため、小さなお子さんでも比較的受け入れやすい治療法です。また、他の矯正装置に比べて費用が安いのもメリットです。

 

いつから始めればいいの?

反対咬合の治療に用いられるムーシールドは、3歳頃から始めることができます。 早期に治療を開始することで、顎の成長を効果的にコントロールし、正常な咬合に導くことが期待できます。

 

治療期間はどれくらい?

ムーシールドを使った治療期間は、個人差がありますが、一般的には1年~2年程度です。

治療期間中は、定期的に歯科医院を受診し、歯並びや顎の成長状態をチェックします。また、ムーシールドの装着状況や口腔内の衛生状態についても指導を受けます。

 

治療の効果を高めるために

インターセプティブ矯正の効果を高めるためには、以下の点に注意することが大切です。

  • 装置をきちんと装着する:指示された時間、装置をきちんと装着することが重要です。
  • 口腔内を清潔に保つ:装置を装着することで、食べカスが残りやすくなります。食後は丁寧に歯磨きをし、口腔内を清潔に保ちましょう。
  • 定期的な検診を受ける:定期的に歯科医院を受診し、歯並びや顎の成長状態、口腔内の衛生状態をチェックしてもらいましょう。
  • 保護者の協力:お子さんが装置をきちんと装着したり、口腔ケアをしっかり行ったりできるよう、保護者の方の協力が不可欠です。

小児期の口腔ケアの重要性

小児期における口腔ケアは、将来の歯並びだけでなく、全身の健康にも大きく影響します。乳幼児期からの歯科健診や保健指導を通して、正しい口腔ケアの習慣を身につけることが大切です。

保護者の歯科保健に対する意識と行動は、子どもの口腔衛生状態に大きな影響を与えます。保護者自身が、日頃から口腔ケアを大切にし、子どもに良い影響を与えるように心がけましょう。

 

小児期からの早期矯正治療と口腔ケアは、子どもの将来の健康にとって非常に重要です。お子さんの歯並びや口腔内の発育が気になる場合は、早めに歯科医院を受診し、専門医に相談することをおすすめします。

適切な時期に専門的なケアを受けることで、お子さんの健やかな成長をサポートしましょう。

hina_mg_conta