歯並びが悪いと、肩こりや頭痛、頸椎ヘルニアにつながるってホント?その対処方は?
肩こり……誰しもが体験したことのある痛みや悩みではないでしょうか。
肩こりは、肩やその周辺の筋肉が緊張して縮み、硬くなっている状態。さまざまな要因が複合的に重なり症状を引き起こします。
冷えや姿勢の悪さ。背骨や骨盤のゆがみ。精神的・身体的なストレスによる自律神経の乱れなどの影響により、肩やその周辺の血行が悪くなると血管中の疲労物質が流れにくくなり、やがて“筋肉疲労からくる痛み”となって症状に表れます。
また、顔の神経からくる眼精疲労や“歯並び”なども肩こりの原因になります。実は、噛み合わせの悪さは、頭頸部(首から上の構造の総称)にとても大きな影響をおよぼすのです。
歯並びのバランスが左右で違うと、人はどちらか噛みやすい方で咬む癖となり、噛みあわせが悪いことで顎や首や肩などへ不均等に負担がかかります。
そのような不自然な噛み合わせは、顎の周りの筋肉を緊張させ、時に肩こりや頭痛を引き起こします。また、噛み合わせの悪さが「頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア」の発症要因になることもあります。
頚椎とは、首の部分にある脊椎骨の一部で頭を支えるための骨です。7つの骨が椎間板をはさんで連なっています。その椎間板が損傷して各神経を圧迫している状態が頚椎椎間板ヘルニアです。
神経を圧迫すると、肩こり、首痛、背中の痛み、前胸部の痛み、腕のだるさ、手のしびれやむくみ、などを引き起こし、重症になると、耳鳴り、めまい、ふらつきなどの神経症状なども表れます。
噛み合わせの悪さによって引き起こされた頭頸部筋肉の過緊張は、やがて首(頚椎)に、ずれ、ねじれ、傾きなどの影響をおよぼし、頭部の重みを支え、クッションの役割をはたす椎間板に大きな負担をかけます。この連鎖が、頚椎椎間板ヘルニアを発症させる要因となりえます。
噛み合わせの悪い歯を矯正することにより、頸椎への負担や影響が軽減されるケースもあります。その他、噛み合わせの悪さは、肩こり以外にも虫歯などのリスクも高めるので、歯並びが気になる人は一度診療を受けると良いでしょう。
虫歯を庇うようにモノを咬むと、顎が虫歯のない反対側に偏り“ズレ”を生むことにもつながります。顔の骨格のゆがみは、さらなる頭頸部の筋肉への緊張を生むことになりかねません。
たった1本の歯の不具合によって、頭痛、肩こり、腰痛、背筋痛などが起こる可能性があるわけです。虫歯治療をあなどってはいけませんね。痛みを緩和するために薬を飲んでも根本的な解決にはなりません。歯の噛み合わせをなるべく均等に保つためにも、普段から虫歯治療や歯のメインテナンスを、是非、心掛けてください。