絶対に止めるべき自力歯列矯正の危険性! 歯は優秀なセンサー
近年では、ホームセンターなどで工具や材料を購入して自作で家具などを安く作る「DIY」が流行しています。歯の矯正でもTwitterなどのSNSやYouTubeなどの動画サイトでDIY歯列矯正を披露している人がいる様でが、真似をすると取り返しのつかないことになるので、絶対に真似をしないでください。
今回は自力矯正の危険性と歯についてお話していきます。
歯1本の重さは1gあるかどうか。大人の歯が28本だとすると、全部でわずか約28g。女性の体重が56キロとすると、何と2,000分の1の小さな存在。
この小さな歯は、食べるためだけでなく命の循環を行っています。
心臓から出た新鮮な血液が歯を循環して、ふたたび心臓へ戻るサイクルの中で、全ての臓器が適切に機能するかなめを担っているのが“歯”の存在。
1本1本にそれぞれの機能があり、全ての歯で大きな役割を担っています。
歯が1本抜けてしまうと、他の歯も弱くなっていきます。
髪の毛が抜けると悩む人が多いですが、それ以上に深刻なことです。
みんなが大好きな酢飯に生魚が重なったお寿司ですが、おいしいと感じるのにはワケがあります。それは、歯には最新鋭機器なみのセンサー機能があり、お寿司の歯ごたえや歯ざわり、ネタとシャリの違いなど、わずかな情報を脳に伝えて繊細な触感を感じることで、おいしさを味わえているのです。
例えば、口の中で砂を一粒咬んでしまっても、歯の感覚センターが反応してスグにわかるようになっています。
健康な歯があってこそ、食事を美味しく味わえ、安全な生活が送れるといえるでしょう。
歯並びを綺麗にしたい、前歯が出ているからと、見た目の美しさはもちろんですが、歯並びの悪さが健康に及ぼす悪影響が一般的に認識されるようになって、機能面の改善を治療目的とする方も増えています。
矯正歯科治療では、
・歯が動くメカニズムを利用して、デコボコの歯並びを治す、前に出ている歯を引っ込めることにより、本来の咬む機能を改善する
・咬み合わせを良くすることによって、見た目の美しさと同時に、飲み込む動作、発音などの機能を十分に発揮できるようにする
・口元と歯のバランスを良くすることで、梅干様のあごの緊張を緩和したり、口がポカンと開いてしまうことを防ぐようにする
「歯を無理なく理想的な位置へ移動させ、綺麗な歯並びを作り、機能との両面で健康をつくる治療」といえるでしょう。
歯の研究が進み、矯正装置に使われる材質の開発など歯科矯正の世界は進化しています。正しく症状に適した治療を受ければ、あなたが望む一生の歯並びが手に入るといえます。
さまざまな症状があるにも関わらず、自作マウスピースや昔からあるアイスの棒を咬み続けるなどの方法では、
・無理な力を加えてしまい、歯が抜け落ちた
・アゴの骨と歯のバランスを無視して力を加え続けていたら、歯根が歯茎から露出した
・咬み合わせられなくなった
・無理な自力矯正で歯が痛み、まともに食事ができなくなった
・ゴムを使っていたら、すきっ歯になってしまった
・痛い思いをしてがんばり、前歯が引っ込んだが、スグに元に戻った
・感染症を起こし、歯を失った
など、自力矯正歯科治療はとても危険な例が昔から多くあります。
自力矯正で失敗したがために、その治療も含めて余計に治療費が掛かってしまう恐れがあります。
体への健康にも関わる大事な歯のことは、専門歯科医に相談してください。