歯科矯正は装置を外しても終わりじゃない?
矯正治療が終わり、装置を全て外したらキレイで正しい歯並びが実現。「おめでとうございます」。新しい日々の生活で恋愛や仕事にイキイキ!でも、ちょっと待ってください。これで、終わりではありません。それは、「後戻り」、新たな不正現象の恐れがあるからです。
何十年経っても正しい歯並びは自己管理が大切です。
体と同じように、口の中でも変化があります。歯は元の場所に戻ろうとする力が働きます。
せっかく矯正治療で手に入れたキレイな歯並びをキープするためには、「保定処置」を怠ることはできません。保定あってこその矯正治療です。
歯を動かし、矯正が終わった段階を動的治療終了といいます。次に歯の後戻りを防ぐための保定処置の段階に進みます。とくに歯並びの悪かった人の場合は、元に戻ろうとする力が強い傾向にありますので、もう一度、矯正が必要なんてことにならないためにも、「リテーナー」という器具を使って後戻りを防ぎます。
保定処置の期間は、動的治療終了後の2年間が重要。後戻り現象の激しい期間なので、リテーナーとうまく付き合うことで、歯並びは安定し、戻りの少ない状態に落ち着きます。
リテーナーによる保定処置期間は、個人差がありますが、最低で2年。
矯正後の歯の状態で使用するリテーナーの種類や一日の使用時間は変わりますが、目立たない取り外しが可能なマウスピースタイプ(クリアリテーナー)もあり、食事や歯磨きのときに外せるので、わずらわしさはずいぶんと軽減できます。
キレイな歯並びを維持するためには、リテーナーと長く付き合っていきましょう。
また、万が一、リテーナーの調子が悪い、壊れたなど不具合が出た場合は、すぐにかかりつけの病院に連絡してください。
審美だけでなく、健康面を考えると自分の歯で一生を過ごすことは大切です。
「8020運動」といって、80歳になっても20本の歯を残そうとする運動があります。
矯正した歯を維持するには、リテーナーとの付き合いも大事ですが、自己管理も忘れてはいけません。
自己管理には正しい歯磨きが大切。外出時にマイ歯ブラシを持参して、こまめにケアを怠らないことで、歯を守ることができます。虫歯予防にもなります。しっかりとプラークを除去するためには、正しい歯磨きで10分は時間をかけるといいでしょう。
忙しい日々でしょうが、歯磨きにかける時間を作ってください。
また、定期健診もおすすめです。矯正後の歯並びチェックはもちろん、虫歯や歯周病の確認、歯のクリーニング、歯ぐき、粘膜など専門的な立場からお口の健康をチェックします。
定期健診を受けることによって、早期発見、早期治療が可能です。
残念なことに矯正が終わったら「さようなら」なんて先生がいますが、矯正が終わっても保定の重要性を理解して、自己管理のための相談が気軽にできる矯正歯科選びが大切です。
定期健診も忘れずに、アフターケアを続けることで10年後、20年後と、キレイな歯並びを保っている人は大勢います。