噛み合わせの悪さが原因!?顎関節症と歯並びの関係
顎関節の異常に悩まされている女性は少なくありません。食事の際に顎関節の痛みを感じたり、カクカクといった顎関節音が鳴ったりと、顎関節症の症状は様々です。いずれにせよ、日常生活を送る上では気持ちの良いものではありませんよね。ここではそんな顎関節症の原因について、噛み合わせとの関わりを中心に詳しく解説します。
顎関節症は日本人においては、比較的男性よりも女性が発症しやすい病気となっています。その理由は単純にひとつに絞ることはできず、骨の大きさの違い、筋肉量、血流循環量、ストレス、感受性の高さなどが挙げられます。そのもの、もしくはその複合で、顎の関節に負担がかかってしまい発症すると考えられています。
私たちの歯は、親知らずを含めると合計で32本生えてきます。これらが顎の骨の上で綺麗に並んでいると、噛み合った際にも全体に均等な力がかかることになります。これがもし、八重歯や出っ歯など、歯列不正と呼ばれる噛み合わせの悪さがあったらどうなるでしょうか。
例えば八重歯というのは、歯列の外側に逸脱していることから、基本的に噛み合わせに参加することはありませんので、その分の負担を別の歯が負うことになります。そして噛み合わせの悪さによって生じた悪影響は、最終的にものを噛む際の起点となっている顎関節へと及ぶこととなります。
歯列不正の代表的なものには、出っ歯や八重歯があります。実際、これらは日本人にも多い歯列不正の一種といえます。その他、噛み合わせを悪くする原因としては、乱杭歯(らんぐいば:凸凹の歯並び)や受け口、開咬(かいこう:奥歯は咬んでいるが前歯が咬み合わない歯並び)などがあります。こうした様々な歯列不正には、それぞれのケースに応じた治療法が用意されています。
乱杭歯や八重歯というのは、マルチブラケット装置で治すことが可能です。いわゆるワイヤー矯正と呼ばれるもので、1本1本の歯にブラケットを設置して、歯列全体にワイヤーを通します。その結果、弱い力が持続的に作用し続け、少しずつ歯列の乱れが整っていきます。
出っ歯や受け口もマルチブラケット装置で治すことが可能です。これらは、上下どちらかの前歯が前方に突出した状態ですが、その原因は2つに分けることができます。1つは歯そのものが前方に傾いている場合、もう一つは顎の骨が前方に突出している場合です。前者であれば、ワイヤー矯正単体で治せるのですが、後者の場合はワイヤー矯正に加えて外科処置などが必要になることがあります。
このように、歯列不正には色々なものがありますが、その乱れを治すことで、顎関節への負担を軽減することができます。ただし、噛み合わせの悪さというのは、あくまで顎関節症の原因のひとつでしかありませんので、顎関節症の症状が現れた場合は、まず歯科医への相談をすることをお勧めします。