まだ遅くない?大人の矯正治療が増えている理由
矯正治療と聞くと、小さな子供や就業前の比較的若い年代が対象であるイメージを強く持たれる方も少なくないでしょう。しかし矯正治療を始める年齢に具体的な制限などはありません。そのことを裏付けるように、近年は30代、40代から矯正を始める方も増えてきています。
そこで今回は大人の矯正治療が増えている理由について、成人矯正によって得られるメリットなどに焦点をあてながらご紹介したいと思います。「矯正治療に興味はあるけど、今さら遅いのでは?」と尻込みしている方の参考になれば幸いです。
矯正治療を希望する方の悩みの多くが、歯並びによる見た目の悪さです。特に営業や接客など人に接する機会の多い職業の方や結婚適齢期の女性ほど、大人になってから口元に対するコンプレックスを抱え込みやすくなります。
大人になってからの矯正治療はこのようなコンプレックスを解消し、自分に新たな自信をもたらすきっかけとなります。それによって何事にも前向きに取り組めるようになり、その後の人生を豊かなものへと導いてくれるでしょう。
矯正治療によって歯並びが良くなるとブラッシングなどがしやすくなるため、虫歯や歯周病予防にも良い効果をもたらします。さらに成人矯正はお口の健康のみならず、体の健康に関してもメリットがあります。
噛み合わせと体の健康には深い関係があり、例えば原因不明の頭痛や肩こり、腰痛などの原因が、実は噛み合わせの悪さであることも珍しくありません。そのようなケースの場合、矯正治療によって噛み合わせが改善すると、長い間苦しんでいた不快症状から解放されるというメリットが得られます。ただ、このような不定愁訴については、ひとつの原因ではないことも多く、包括的なアプローチが必要になることも多いです。
また噛み合わせが改善すると食べ物をしっかり噛むことができるため、胃腸の負担を軽減することができます。これによって慢性的な便秘や肥満の解消などにも良い効果をもたらすでしょう。
大人になって矯正治療を行うとき、ネックの1つとなるのが矯正装置の装着です。一時的とは言え、歯の表面が矯正装置に埋め尽くされることに抵抗感を抱く方も少なくありません。
しかし矯正治療は日々進歩し、以前と比べて様々な治療法が選べるようになっています。例えば裏側矯正やマウスピース矯正など、矯正装置が表に見えないようにする方法もその1つです。
その他に気になる歯並びだけを改善する部分矯正など、数ある選択肢の中から今の自分が希望するスタイルで矯正治療が行えることが可能になってきています。
大人の矯正治療の人気が高まるにつれ、成人矯正を大々的に宣伝する矯正歯科も増え始め、それに伴いトラブルも多くなってきています。特に「安さ」や「歯を抜かない」といった聞こえの良い宣伝には注意が必要です。矯正治療を受ける際は、高い専門知識とスキルのある矯正治療専門のクリニックを選ぶように心がけましょう。
(参考資料)
・東洋経済オンライン http://toyokeizai.net/articles/-/147540?page=2
・プレジデントオンライン http://president.jp/articles/-/17496
・日本成人矯正歯科学会 http://www.jaao.jp/ippan/chiryo.html