矯正中の虫歯リスク。裏側矯正が虫歯になりにくい理由とは?
『虫歯がある場合は虫歯治療後に、矯正治療をした方が良いですか?』コラムでもふれましたが、別の虫歯関連の話に、裏側矯正には“虫歯になりにくい”というメリットがあります。
歯の裏側は、表側にくらべて唾液が循環しているために、唾液の精菌や殺菌作用によって虫歯菌が増殖しにくい環境にあります。
また、歯の裏側は人体のなかで最も硬い層といわれるエナメル質が、表側の表面よりも3倍ほど厚く“酸”に強いという特徴があります。
矯正中は、普段よりも虫歯になりやすい状態であることは否めません。
ブラケット(矯正装置)があることで、どうしても食べカスなどが詰まりやすくなり、ブラケット周辺は特に虫歯菌が増殖しやすいので気をつけなければいけません。
そのため、日々のブラッシングがとても重要となります。
歯の汚れ(プラーク)はブラッシングでしか、取り除けません。専用の歯ブラシで少なくとも二種類の歯ブラシを使用するとよいと思います。
女性の化粧のブラシも適所で使い分けするように、矯正時は適所の形態にあわせて、形のちがう歯ブラシを使い分けるのがおススメです。
治療が進み歯の重なりがなくなり、隠れていた虫歯が見えてきた場合、虫歯の治療を行ってもらう場合があります。(ただ、虫歯の度合いや種類、進行状態によっては矯正治療をそのまま進めて、器具をはずした後に虫歯治療をおこなう場合もあります)
もちろん矯正歯科では、矯正中の歯磨きのレクチャーをおこないます。また、それ専用のケアグッズなども紹介します。
たとえば、歯周ポケットや細かい隙間を磨きやすい、ワンタフトブラシ(ポイントブラシ)といった、毛束が一本にまとまり先の尖ったような歯ブラシや、もっと細かい部分に届く歯間ブラシなど、オーラルケアの手助けになるアイテムがあります。
矯正中の歯磨きは、普段に比べて少々面倒かもしれません。
でも、矯正したことで歯列の凸凹がなくなり、食べカスがつまりにくくなったり、磨きやすくなったりするなど虫歯になるリスクがぐっと低くなることは確かです。
矯正治療を機会に丁寧なブラッシングを学んで、矯正治療が終わった後も、ぜひ、正しいオーラルケアを続けていただきたいですね。