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2025/03/02
歯並びの美しさは、見た目の印象だけでなく、健康にも大きく影響します。
近年、矯正治療の選択肢が増える中、注目を集めているのが「セルフライゲーションブラケット」です。
従来の矯正装置とは異なる仕組みで、より快適で効率的な治療を可能にするとして、多くの人々に選ばれています。
この記事では、セルフライゲーションブラケットの特徴やメリット・デメリット、治療の流れ、費用などを詳しく解説し、読者の皆様が矯正治療を検討する際の参考にしていただければと思います。

セルフライゲーションブラケットとは?
セルフライゲーションブラケットとは、歯の表面に装着する小さな装置(ブラケット)に、ワイヤーを固定するための特別な機構が組み込まれた矯正装置です。従来のブラケットでは、ワイヤーをゴムや細いワイヤーで固定していましたが、セルフライゲーションブラケットでは、クリップやスライド機構を用いてワイヤーを直接ブラケットに固定します。
セルフライゲーションブラケットと従来のブラケットの比較
この構造の違いが、セルフライゲーションブラケットの大きな特徴であり、様々なメリットをもたらします。
セルフライゲーションブラケットのメリット
セルフライゲーションブラケットには、従来のブラケットに比べて多くの利点があります。主なメリットは以下の通りです。
- 痛みの軽減: 従来のブラケットでは、ワイヤーを固定するためのゴムやワイヤーが摩擦を起こし、痛みや不快感を引き起こすことがありました。セルフライゲーションブラケットでは、摩擦が軽減されるため、痛みを大幅に抑えることができます。
- 治療期間の短縮: 摩擦が少ないことで、歯がスムーズに移動し、治療期間の短縮につながることが期待できます。
- 歯根吸収リスクの低減: 歯の移動に必要な力が少ないため、歯根吸収のリスクを低減できる可能性があります。
- 治療時間の短縮: ワイヤーの交換や調整が容易なため、通院時の処置時間が短縮されます。
- 口腔内の清潔維持: ゴムや結紮線を使用しないため、歯ブラシが行き届きやすく、口腔内を清潔に保ちやすくなります。虫歯や歯周病のリスクを軽減できる点も大きなメリットです。
- 通院回数の減少: 従来のブラケットよりも調整の頻度が少なく、通院回数を減らすことができます。忙しい方でも治療を継続しやすい点が魅力です。
セルフライゲーションブラケットのデメリット
メリットの多いセルフライゲーションブラケットですが、デメリットも存在します。
- 費用が高額: 従来のブラケットに比べて、装置の構造が複雑なため、治療費用が高くなる傾向があります。
- 装置の厚み: 一部のセルフライゲーションブラケットは、従来のものより厚みがあり、装着時に違和感を感じる場合があります。
- 適用できる症例: すべての症例に適用できるわけではなく、歯並びの状態によっては、従来のブラケットの方が適している場合があります。
セルフライゲーションブラケットの治療の流れ
セルフライゲーションブラケットを用いた矯正治療は、以下の流れで行われます。
- 検査・診断: 歯並びや噛み合わせの状態を詳しく検査し、レントゲン撮影や歯型採取などを行います。
- 治療計画の立案: 検査結果に基づいて、治療方法や期間、費用などを説明し、患者様と相談しながら治療計画を立てます。
- 装置の装着: 歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通します。
- 定期的な調整: 定期的に通院し、ワイヤーの交換や調整を行います。
- 保定: 歯並びが整ったら、保定装置を使用して、後戻りを防ぎます。
セルフライゲーションブラケットの費用
セルフライゲーションブラケットを用いた矯正治療の費用は、症例や使用する装置の種類、治療期間などによって異なります。一般的には、従来のブラケットよりも高額になる傾向があり、全体で70万円~120万円程度が目安となります。
セルフライゲーションブラケットの種類
セルフライゲーションブラケットには、様々な種類があります。
- Damon System (デイモンシステム): 世界的に普及しているセルフライゲーションブラケットで、歯の移動を効率的に行うための独自の設計がされています。
- In-Ovation (イノベーション): 透明なセラミック製のブラケットで、目立ちにくいのが特徴です。
- Clarity SL (クラリティSL): 金属製のブラケットですが、小型で目立ちにくく、快適な装着感が得られます。
- SPEED System (スピードシステム): 治療期間の短縮を重視したセルフライゲーションブラケットです。
矯正治療を検討されている方へ
セルフライゲーションブラケットは、従来の矯正装置に比べて多くのメリットを持つ、矯正装置です。しかし、すべての症例に最適なわけではありません。矯正治療を検討される際は、歯科医師と十分に相談し、ご自身の歯並びやライフスタイルに合った治療方法を選択することが重要です。