最近は「顎関節症」(がくかんせつしょう)という病気を
よく耳にすることもあると思いますが、皆さんはご存知ですか?
どのようなものなのかを簡単に説明すると顎(あご)の病気です。
顎関節は人の頭にある唯一の関節で、口を開け閉めするためにあります。
そして、噛む力を一手に引き受けている場所です。人の噛む力は成人で約60kgもあるんですよ!
恐竜のティラノサウルスでは1tあるとかないとか・・・。たまに患者様で治療中に寝てしまい、
急に起きた拍子に噛まれることがあります・・・、恐竜じゃなくて良かった・・・。その関節は耳の穴の少し前方にあり、皮膚の上からでも指で確認できます。
顎関節症の症状としては、
口を開け閉めするときに音がなる、関節周囲の慢性的な筋肉の痛み、口が開かないなどです。
原因は多々あり、顎をぶつけたり、頬杖などの力がかかって起こる場合や、歯ぎしり、くいしばり、咬み合わせが悪い、不良な歯の被せ物が入っている、朝いきなり大あくびをする、ストレスも要因のひとつと考えられています。
通常、音がなる程度であれば問題ないのですが、痛みや口が開かないなど生活に支障をきたす状態になると、やっかいです。
他の関節で例えると、皆さんも足の屈伸で膝の関節がポキポキなることがあると思いますが、
使いすぎなど痛みが出て足の曲げ伸ばしがつらくなるのと同じです。
また、口がどのくらい開けられれば良いかというと、お寿司の握りが食べられれば問題ないくらいです。
では実際に顎のだるさや痛みがでた場合にはどうすればよいのかというと、
まずは安静にしましょう。安静にというのは、顎に負担をかけないように堅い物を食べないとか、
食いしばりの原因になる力仕事やスポーツをひかえたりなどです。
マウスピースも同様の目的のために使用します。
マウスピースが上下の歯の接触をクッション材の役割で和らげます。
患部を温めるのもいいです。
逆に良くないことは、気になってしまい無意味に口を開け閉めしたり、触ったり押したりすることです。
この顎関節症は、なかなか完治することがなく、調子の悪い時期とよい時期を繰り返すような傾向があります。
ですから、症状が現れたときには、できるだけおとなしく、音が鳴る程度で痛みがなくなるまで落ち着くのを待ちましょう。
ただ、症状の度合いは人それぞれですから、異変を感じたら気兼ねなくまずは相談してください。