長かった寒い冬がようやく終わりをつげ、日の光が柔らかく感じられる季節の到来です。
春を感じるもののひとつに桜がありますが、皆さんはもう花見をしましたか?
桜は春を象徴する花として、日本人にはなじみが深く、日本で最も有名な花ですよね。
葉が出そろう前に花が咲きそろう、この「何もないところに花が咲く」という状態に、昔から生命力の強さを感じてきました。
花見といえば=場所取り、場所取りといえば=徹夜? 良い場所で美味しくお酒を飲むために毎年学生や会社のフレッシュマンは大変みたいです。
かくゆう私も大学院時代に徹夜で場所取りをした経験があります。
仙台の桜は4月終わりくらいに満開を迎えます。
仙台の4月というと・・・、寒い。東京とは気候が違います・・・。
その中での徹夜の場所取りは、厚着をしてホッカイロに寝袋で装備を固め、友人2人で決死の覚悟でむかいました。
周りには私たちと同じような境遇の方々もいれば、花見のお酒で盛り上がり無茶して暴れている若者、ひとりでお酒を飲んでいるはずなのに誰かに向かって話している中年、この場所に一年中いるんじゃないのかと思われるホームレスなど危険がいっぱいでした。
今思えば貴重な経験で良い思い出でした。
さて、矯正治療の中で「基本の基本」と言えば・・・、やはり「ブラッシング」です。
むし歯や歯周病だらけでは、せっかく綺麗な歯並びになってもだいなしです。
こればかりは常日頃の積み重ねで患者様に頑張っていただくてはならないものです。
ブラッシングの目的は、歯についた汚れを取り除くことですが、その歯についた汚れの正体は『プラーク(歯垢)』といい、食べ物のカスだけではなく『細菌』の塊なのです。
目では白い汚れですが、顕微鏡でのぞいてみるとゾッとします。
歯学生の頃、実験で甘いものを食べる前のプラークと食べた後のプラークをくらべるというものがありました。
何が違うのかというと、甘いものが口に入った瞬間に細菌の運動性が活発になったんです。
要するに、細菌がめちゃめちゃ元気に動いてるんです!そして細菌はせっせと『酸』を作り出し、むし歯や歯周病を引き起こしているんです。
あまりの元気ぶり実験対象となった友人に一時白い眼が向けられましたが、これはみんなの口の中に共通した反応と結果なのです。
だから歯を磨きましょう!矯正装置が邪魔をして、隅々まで歯ブラシの毛先が届きにくいかもしれません。
他の人よりもブラッシングに時間がかかるかもしれません。
しかしながら、プラークを取り除き、むし歯や歯周病から歯と歯ぐきの健康を守ることがとても大切なのです。
裏側矯正治療の場合、むし歯になるリスクは表側の矯正治療にくらべかなり低く、一般的にメリットのひとつとして知られています。
ただし、プラークが人に対して害を与えることには変わりません。
そのためのポイントとしては、
① 毎食後に歯磨きをする。
難しい場合は、最低一日一回は時間をかけてしっかりとブラッシングをする。
ワイヤーの下やブラケット周辺は丁寧に磨きましょう。
歯と歯肉の境目も大事なポイントです。
歯磨き粉もいいのですが、その爽快感で磨いた気分になっているひともいるので注意が必要です。
② 矯正治療に適した歯ブラシや部位にあった歯ブラシを使い分けましょう。
女性はとてつもなく多くの化粧道具を持っていますよね?
顔の部位に合わせてたくさんの筆やブラシを使ってメイクすることと同じです。
ワイヤーの下や歯の重なりあっている部分など歯ブラシも数本を使い分けましょう。
③ 鏡を見ながら歯磨きをする。
イメージでなんとなく磨くよりも、歯ブラシの毛先がきちんと届いているのかを鏡を見て確認しながら磨いて下さい。
裏側矯正の場合、下の歯の裏側の装置は見えますが、上の歯の裏側の装置は見えないため、歯ブラシの毛先を感じつつ磨いてもらい、当院で毎回撮影している口の中の写真で磨き残しや苦手な部分があれば、ブラッシング指導をしています。
④ フッ素配合の歯磨き粉やジェルを併用しましょう。
初期むし歯を補修する「再石灰化」という働きを促進します。
さらにむし歯になりにくくなります。 このほかにも、矯正治療している皆さんなら自分独自のポイントがあるかもしれませんね。
矯正装置が外れたあかつきには、是非きれいな歯並びと白い歯で美しい笑顔になりましょう。