銀座HINA矯正歯科


矯正治療で起こり得るトラブルとは

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LIFE 2018/08/26

矯正治療は、数年に渡って患者様と向き合い、接し続け、治療も歯を動かすという、とても特殊な治療です。使用する装置も独特ですので、取扱には注意が必要になってきます。それだけに、矯正治療中には様々なトラブルが起こる可能性があるのです。ここではそんな矯正治療に伴うトラブルや解決法について詳しく解説します。

異物感を感じる

矯正治療を開始して、まず患者さんが感じるのは、矯正装置の違和感や異物感でしょう。口の中は髪の毛を感じ取れるくらい繊細な場所ですので、違和感がないわけがありません。最もスタンダードな矯正法であるマルチブラケット法では、1本1本の歯にブラケットを接着して、歯列全体にワイヤーを通します。それが口腔内にあるわけですから、やはり異物感は大きいものです。しかしながら、治療を開始して数か月もすると自然と馴染んできます。治療が終わり装置を外すと、皆さん口をそろえて、装置がないのが違和感だと言います。人の適応能力はすごいと思わされる瞬間です。

 

歯が磨きにくい

矯正装置をはめたことがある人ならわかるかと思いますが、ブラケットが歯面に設置されていると、歯磨きが非常にしづらくなります。本来であれば、滑沢な面に歯ブラシを当てるだけで良かったものが、ブラケットやワイヤーという構造物を避けながらブラッシングしなければならなくなります。場合によっては、磨き残しが増えてしまい、虫歯や歯周病が誘発されるというトラブルが発生するのです。じゃあ、歯にブラケットをつけないマウスピースの矯正治療では虫歯が出来にくいのかというとそうではありません。以外にもマウスピースの場合も虫歯が多いのです。その理由は、歯を動かすためにマウスピースの装着時間は20時間以上とほぼ一日中で、通常は唾液が口の中を循環して虫歯予防の働きがなされますが、その間その流れが遮断されることによって、一層虫歯になりやすくなるというわけです。まだ、ブラケットの方が唾液の自浄作用による虫歯予防が期待できます。

 

歯を動かすことで歯の根っこが吸収される!?

矯正治療のトラブルとして、歯根の外部吸収というものが存在します。これは文字通り、歯の根っこが外側から吸収されてしまう病態なのですが、原因はいまだに明らかになっていません。有力な説は、歯を動かす反応への感受性の違い、長すぎる矯正期間、強すぎる矯正力などです。

3年や5年矯正装置が付いたままの状態では、本来、歯を動かすために反応する細胞が、骨ではなく歯に反応を示すようになったりします。歯に負担がかかっているということです。そして同じように、歯を動かす力の負担については、ブラケットの位置や使用するワイヤーの素材などによって、歯を動かす力や方向を自在に変えることができる反面、そのコントロールを誤ってしまうと、歯に対して過剰な力がかかることになり、結果として歯根が吸収されることがあります。これも矯正治療ならではのトラブルといえるでしょう。

 

トラブルを回避するための方法

・異物感は慣れ!磨きにくさはブラッシング法を工夫する!

矯正装置による清掃性の低下を改善するためには、とにかく磨き残しの少ないブラッシング法をマスターする他ありません。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシ、タフトブラシなども活用して、歯と矯正装置の隙間まで綺麗に磨けるように頑張りましょう。

 

・適切な矯正治療を施してもらう

歯根の吸収といったトラブルは、適切な矯正治療が実施されることで回避できます。ですから、最も有効なトラブル回避策としては、優れた技術を持った矯正医を探すことといえます。

 

このように矯正治療では、矯正装置による異物感や清掃性の低下など、ある意味避けることができないトラブルがある一方、適切な治療によって回避可能なトラブルの2種類にわけることができます。前者は時間の経過や患者さん自身の工夫によって改善できる部分が大きいといえます。後者は、ほぼ施術する矯正医の腕に委ねられているといえるでしょう。

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